人の語りを傾聴するシステムの開発

人間は元来,語りたいという欲求を持っています.しかし,独居老人数の増加,若い世代の単身世帯数の増加などが進んでおり,常に話を聞いてくれる人がいる状況にはありません. そこで,情報機器に語りの聴き役を担ってもらうことで,この問題を解決します.

語りの上手な聴き役となるためには,語りを聞いているという態度,つまり,傾聴態度を話し手に示すことが望ましいと言われています. そのための明示的な手段は語りに対して応答をすることであり,この傾聴的な態度を示すための応答を傾聴応答と呼びます.

適切な傾聴応答を生成するためには適切なタイミングで適切な表現を表出する必要があります.

しかし,その方略は明らかではないことから,語りに対する傾聴応答データを収集し,その分析を通して,適切な生成方式を開発することが本研究の目的です.

これまでに,語りに対する傾聴応答データの収集(Ito et al., 2022),傾聴応答の生成手法の開発(伊藤 滉一朗 et al., 2024; 伊藤 滉一朗 et al., 2023; 伊藤 滉一朗 et al., 2019; 村田 匡輝 et al., 2018)を実施しています.

References

2024

  1. 査読有り
    語りの傾聴において不同意を示す応答の生成
    伊藤 滉一朗, 村田 匡輝, 大野 誠寛, 松原 茂樹
    自然言語処理, Vol. 31, No. 1, pp. 212–249, Mar 2024

2023

  1. 査読有り
    語りに傾聴を示す応答の表出されやすさの推定
    伊藤 滉一朗, 村田 匡輝, 大野 誠寛, 松原 茂樹
    電子情報通信学会論文誌, Vol. J106-A, No. 3, pp. 136–145, Mar 2023

2022

  1. 査読有り
    Construction of Responsive Utterance Corpus for Attentive Listening Response Production
    Koichiro Ito, Masaki Murata, Tomohiro Ohno, Shigeki Matsubara
    In Proceedings of the 13th Language Resources and Evaluation Conference (LREC 2022) , Marseille, France (hybrid), pp. 7244–7252, Jun 2022

2019

  1. 傾聴を示す応答で繰り返される語りの語句の検出
    伊藤 滉一朗, 村田 匡輝, 大野 誠寛, 松原 茂樹
    言語処理学会第25回年次大会発表論文集, pp. 1316–1319, Mar 2019

2018

  1. 系列変換モデルに基づく傾聴的な応答表現の生成
    村田 匡輝, 大野 誠寛, 松原 茂樹
    言語処理学会第24回年次大会発表論文集, pp. 821–824, Mar 2018